私は知らない田舎町の小さなバス(乗客6.7人乗り)に乗っていた。
客はおばさんとおばあさんでいっぱいでした。
私は一番後の席に座っていました。
おばさんたちはみんな顔見知りらしく楽しそうにお喋りをしていました。
直ぐに小さな駅前のバス停に停まり運転手の休憩時間により乗客も約1時間の休憩タイムです。
駅前とはいえ、目につくのは小さなお蕎麦屋さんが1軒あるくらい。
乗客はみんな外へ出て行く。
一人のおばさんが私に一緒においでと声を掛けてくれた。
私はちょっと不安になりながらもおばさんについて行った。
外は駅前ちょっと先からは田んぼと畑と広い広場が見えている。
広場の入り口まで行くと日焼けしたおじさんがトラクターに乗ってやってきた。
おじさんはトラクターに詰んでた野菜を乗客にあげだした。
すると低飛行で変わった形の(5角形)飛行機みたいなのが広場に着陸した。
私は頭の直ぐ上を飛んでる飛行機みたいなのを初めて見て興奮しました。
トラクターのおじさんが「あの野郎、またあんな操縦しやがって!」と、怒りながら飛行機らしき物の方へ歩いて行った。
飛行機らしき物から5.6人の若い男達が出てきてニコニコしながらおじさんの説教を右から左に流しているようでした。
おばさんたちは若い男達と軽く会話をした後にバスに戻る為に駅の方へ向かった。
おばさんたちは私に暫くこの町に居ればいい!と、言ってくれた。
私は何処へ向かうあてもなく無意識的にこのバスに乗ってしまったので特に急ぐ用もない。
おばさんたちも、あったかい、どこか懐かしくなるような人ばかり。
私はおばさんたちの住む村にお世話になることにした。
村には20~30軒の家がある程度で、牛が飼われている家もあった。
夕暮れ時の赤焼けが眩しいほどにキレイ。
私は2階建てで倉庫のような建物の2階の明るく整理整頓された清潔な部屋を与えられた。
暫く外を眺めていると畑で何かを燃やしてる煙や夕飯の仕度をしている匂いがしてきた。
先程の飛行機みたいな物から出てきた若い男達も汗を拭きながら笑顔で帰って来た。
あっちの家から、こっちの家から家族の声が聞こえてきた。
私の胸の中できゅーんとして何故か涙が流れてしまった。
薄暗くなった部屋で電気を点けることも忘れていたら誰かが階段を勢いよく上がっ来た。
先程の若い男で人懐こい笑顔で私に「ごはんだよ!おいでよ」と、言った。
初めての会話とは思えないような、何だろう・・・
親しみや安心感を感じた。
続く・・・